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リンゴ火傷病 [作物の病害]

りんごの木.JPG
昨年末発刊されたばかりの「リンゴ農家の
経営危機とリンゴ火傷病の検疫問題」
を縁あって入手した。

リンゴ火傷病…。日本ではまだ危機感が
薄い果樹の病害だが、アメリカ・ミシガン
州などで1900年代から発生がみられ、
リンゴ園が壊滅する程の被害を及ぼし
ている。
 
私がリンゴ火傷病の名と初めて出会ったのは、2年前の夏。日本農業新聞(2005年
7月14日)の記事だった。
リンゴ火傷病は、エルビニア・アミロボーラという細菌(火傷病菌)の空気感染による
植物の病害で、リンゴ、ナシ、カリンなどに被害を及ぼす。花から茎、枝に広がったり、
傷から侵入し、病気の木から風雨や昆虫などによって次々に拡大するという。
リンゴの木は表面にヤケドのような症状が起き、枯れてしまう。

日本への侵入に対する予防と対策は、まず、リンゴ火傷病菌の宿主植物の枝
や果実の輸入をしないこと。
万が一、発生した時にすぐに対応できる初期防除の準備も必要だ。
当時、農水省ではアメリカ産リンゴを輸入する際に日本が設ける新たな火傷病
の検疫措置についての説明会を開いている。

リンゴの輸入によって日本に発生していないリンゴ火傷病が拡大すれば、リンゴ
生産者はリンゴやリンゴジュースによるリンゴ販売の圧迫だけでなく、リンゴの木
への直接被害というふたつのダメージを受けることになる。
実際に病害が起きていないことで現実感がないが、一旦侵入した時の影響は計り
知れない。
 
「病原菌を侵入させない」… これは、どんな病害でも一番大切な予防策だ。

 
 

      <参考> 「リンゴ農家の経営危機とリンゴ火傷病の検疫問題」
             著者: 宇野忠義氏(弘前大学農学生命科学部教授)
           発行: 弘前大学出版会    価格 460円(消費税別)


タグ:リンゴ 病害
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